2010年01月17日

それはまるで人魚姫のよう

一気に襲ってきた不安発作は、歪んだ自傷をさせた。

今、私の左右の足のつめは4分の1ずつくらい欠けている。
鋏で切れ目を入れて剥したのだ。
それから、周囲の皮膚も剥し、皮膚が厚くて痛くないところに切れ目を入れて足の裏の皮を剥いだ。

歩くたびに痛む足。

歩くことを拒む足。

でもこの痛みだけが、もはや薄ぼんやりとした記憶しか持たない私が抗った証。

カッタァは遠ざけられていた。

でも、消毒の側にはコットンがあった。

薬を塗ったが、いつも通りヒールの高いブーツを履いた。

痛みが歩調を緩めさせる。


人魚姫はその美しい声と引き換えに人間の足を手に入れた。
しかし、その足は動かすたびに激痛をもたらす。
痛みに叫ぶ声に音はない。

――もう歩けないよ。

かの歌姫はそう歌ったけれど。

それでも痛む心を、歌うたいである無力さを、それでもみんなの歌になって疑い着て受け継がれることへの思いと――。

もう歩けないと言い訳に、私はこの傷を使わない。
明日会社に行けばヒールのあるパンプスを履き、痛みなどおくびにも出さずに仕事をしてやる。

足を傷つけるこの行為が、「もう歩けない」という叫びであったとしても。





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posted by 氷迫 律 at 22:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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