「WILL」本田孝好
「MOMENT」と繋がっている話。良心を早くになくした少女がそのまま親の家業である葬儀屋を継ぎ、死者にまつわる謎(というほど大げさではないが)を解くというもの。
主人公の使者や遺族に肩入れはし過ぎないんだけれど使者の眠りを妨げるようなことはきちんと世話をする、というスタンスが好き。ただしラストが陳腐すぎた。
「シアター!」有川浩
脚本家の弟が劇団の危機だと有能な営業の兄に金を無心し兄は条件付で応じる。しかし兄が貸した借金返済の条件は厳しいものだった。債権者として劇団の内情を知り改善する兄は金に厳しく、鉄血宰相とまで言われ…劇団や役者と言う特殊な世界を一般社会人の兄の目線から書いている話。
兄の司の鉄血宰相っぷりと面倒見のよさやつっこみが面白い。重くなりそうなテーマを明るく楽しめる内容で描いているのはさすが。
もう少し団員同士の機微や葛藤を書いてほしかったけれど、文庫ではこれが限界かな、とも思う。シリーズ化してほしい。
「摂氏零度の少女」新堂冬樹
高校生の主人公は幼い頃飼い犬を安楽死させられ、死こそが愛情で幸福である、といういびつな心を持っている。そんな彼女はある毒薬を入手し、密かに母親に与え始め、その経過をつぶさにBLOGに書き込むのだった。
歪な世界に住み、猟奇的な行為を繰り返す少女の心がリアルに描かれている。湊かなえの「告白」や「少女」に出てくる少年少女が厨二病すぎて痛々しいのと違い、緻密な描写と文章力で少女を描いている。
しかしオチが…急展開と言うかこれだけ頭の良い少女がどうして最後にこんなへまをやってしまっていきなり壊れるのか納得がいかなかった。
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